第三の赤字であるアメリカ企業の財務体質の悪化と個人の借入金の増加について簡単に触れてみましょう。アメリカ企業の財務体質は、70年代の後半から一貫して悪化しています。かつて日本の企業は、アメリカ企業の高い自己資本比率に羨望の念を抱いていました。しかし、アメリカ企業の自己資本比率が急速に悪化した結果、最近では日米企業の平均的自己資本比率は、ほぼ拮抗する状態になっています。アメリカ企業がこのように借金が増大し財務体質が悪化した主な要因は、各種規制が緩和される中で企業間のM&A(吸収・合併)が非常に活発になった点にあります。とくにLBO(買収先企業の資産や収益力を担保にした借入れ資金により、強引に買収をすること)の普及が、企業の負債を一段と増加させました。
株式の譲渡を勝手にできない会社のことを「株式の譲渡制限会社」と言います。株式の譲渡制限会社の場合は、取締役1人の株式会社を設立できるので、取締役会を設置する必要もありません(取締役会を設置する場合は、3人以上の取締役が必要で、かっ監査役か会計参与を設置しなければならない)。また、従来は最長2年だった取締役の任期も、最長10年まで延長できるようになったため、登記変更の手続きや費用面でのメリットも大きいと言えます。つまり、新会社法の誕生により、?株式の譲渡を制限した上で、?取締役会や監査役を設置せずに、?任期10年の取締役1人、という個人事業とほぼ同様のスタイルの株式会社をつくれるのです。これは個人事業者が小規模な会社をつくるのに適した、もっともシンプルな形態の株式会社だと言えます。
旧加盟国は、これら新加盟国のインフラ整備のために莫大な資金を出さなくてはならない。また、経済力の低い国から高い国へ労働者の流入がつづき、それにともなう雇用悪化や賃金下落といった懸念もある。そして当面の最大の課題は、何といってもアメリカ発の金融危機の影響だろう。グローバル経済の性格上、一国の景気後退は世界中に影響を与える。最近はEUでも経営難に陥る金融機関が続出し、経済の減速が顕著になってきた。2007年後半、EUにおける個人消費の伸びは大幅に鈍り、実質GDP成長率は前年同期に比べてO・5%に減少。09年のユーロ圏15か国の経済成長率はほぼゼロになるとも推定されており、今後、個人消費が伸びなかった場合、EUの成長は不安定化すると見られている。それでもアメリカの経済に比べると、伝統的な製造業やメーカーをもち、各国が独自の産業に特化してきたEUの経済力はまだまだ強い。しかも、アメリカが単独主義の行動をつづけるのに対して、EUは地球温暖化問題、二酸化炭素排出権取引、市場競争などにおいて域内で協調できる。じっさい、世界の排出権取引ビジネスでは、アメリカでも日本でもなく、EUがその価格設定権を握っている。今後、世界経済の影響力はアメリカからじょじょにEUへとシフトしていくとの見方もあり、日本はアメリカではなく、EUを見習うべきという声もある。